Archive For The “Exhibitions” Category
2008年5月17日~25日
日本の現代美術の人気が急上昇している。世界的にも評価の高い草間彌生、李禹煥、アートマーケットを賑わす村上隆、奈良美智らの活躍が目覚しく、国内では現代アートへの関心が高まっている。美術は社会を映し出し、新しい価値観、ビジョンを生み出す。現代アートの醍醐味はまさにそこにあるのかもしれない。今後日本の美術はどこへむかうのか。1960年代の作家から、現在第一線で活躍する現代作家たちの作品30点余を展示いたします。
■出品作家 草間彌生/李禹煥/関根伸夫/菅井汲/彦坂尚嘉/青木野枝/辰野登恵子/大竹伸朗/川俣正/村上隆/オノサトトシノブ
沖縄物故作家展
2008年3月15日~30日
沖縄の近代美術史において、名渡山愛順(1905-1970)と大嶺政寛(1910-1987)は戦後画壇の双頭をなし、沖縄画壇を牽引した画家として知られる。以後、次世代のモダニズムを標榜した安谷屋正義(1921-1967)をはじめ、安次嶺金正(1916-1993)、山元恵一(1913-1977)、大嶺信一(1915-1984)、玉那覇正吉(1918-1984)、大城皓也(1911-1980)、宮城健盛(1915-2000)らの活躍があった。半世紀前に描かれた先達画家たちの作品からは時代の風が感じられる。今展はコレクターのコレクションをふくめ、物故作家の60年代~70年代の小作品を展示販売いたします。
粟国久直展 -Sugar & Strawberry-
2008年1月12日~27日
1965年沖縄県宮古島市生まれ。大阪芸術大学芸術学部卒業。大阪を拠点に制作を続ける粟国氏の活躍が目覚ましい。97年初個展(GALLERIA CHIMERA/東京)(LA FENICE/大阪)、98年「EGO-SITE」(アートガーデンかわさき)、「精霊の宿るところ」(滋賀県立近代美術館)、99年VOCA展(東京)と、手ごたえ確かな作品を発表し注目を集めてきた。今回は2002年「Diagram/Cube」(画廊沖縄)以来の沖縄での個展である。昨年開館した県立美術館に収蔵展示された立体の大作「Cube-Sugar&Strawberry」を絵画(平面)にシフトして発表する。
金城明一展 -ウッピ-
2007年11月17日~12月2日
1954年沖縄県東風平生まれ。中の島美術学院卒業(75年・大阪)。81年の初個展以来、野性味あふれる「マチヤグァー」シリーズで注目される。以降数多くの個展を開き水彩画を中心に独自の沖縄風景画を展開。県内の村々を訪ね、沖縄の「庶民性の現在」とも言える世界を描き続けている。一面に漂う気負わぬ「ウチナーンチュ」の生活風景画は幅広い年代層に人気がある。今回は久々に油彩画を中心とした企画個展となる。
与那覇大智展 -Home-
2007年9月13日~30日
1967年沖縄市生まれ。沖縄県立芸術大学卒業・筑波大学大学院修了。97年第11回ホルベインスカラシップ奨学生・2002年VOCA展出品・2005~06年文化庁新進芸術家海外留学制度により米国フィラデルフィアに留学。大学院修了後は、つくば市にアトリエをかまえ、東京を中心に作品を発表。伝統的な油彩キャンバスにこだわり「光の匂ひ」シリーズで注目をあつめる。今回は「Home」のタイトルで米留後の帰朝展ともいえる個展となる。
宮良瑛子展 -無辜・人人人-
2007年5月19日~6月3日
1935年福岡県直方市生まれ。戦時体制時、3歳から中学1年まで、韓国と日本の間でゆれる対馬に暮らす。1946年福岡に移住。1957年武蔵野美術学校(現・大学)卒業・1958年日本アンデパンダン展出品・1971年東京から那覇に移住し制作拠点を移す。1973年第一回個展(沖縄物産センター画廊)、1976年南北ベトナムとラオスを訪問する。1977年沖縄女流美術家協会設立(事務局長)。1982年「私の沖縄10年展」(県民ギャラリー)、1995年「戦後50年、宮良瑛子個展-いのち」(読谷村美術館)。数多くのグループ展に参加し、今回は25回目の個展である。沖縄の女性像をモティーフにした作品を軸に、今も戦禍の絶えない世界の状況や政治・社会の矛盾を全面に押しだした社会性の強い作品を発表し続けている。今展は宮良が一貫して追及してきた「戦禍」と「平和」、「人間」をテーマにその集大成ともいえる個展となる。
上間彩花展 -失われつつあるもの-
2007年3月17日~4月1日
1978年北谷町生まれ。日本大学芸術学部美術学科卒業。上間彩花は大学在学中から写真やパフォーマンスなどあらゆる表現を試み「第21期国際瀧富士美術賞」受賞、「第10回ARTBOX大賞展」大賞受賞、2006年・2007年2年連続沖展賞受賞など、精力的に発表を続けてきた。デジタルアートやJポップアート、コンセプチャルなコミュニケーションアートが注目される今日のアートシーンにあって、上間の作品は確かにそこにあるという圧倒的な存在感で観る者の五感を強く刺激する。ドローイングと紙コラージュにこだわったその手法が「ぴったりと肌になじむ」という。イメージと格闘し画面にむかうその姿は、見えない何かを見ようとしているようにもみえる。氾濫する情報、希薄な人間関係、失われようとしているもの・・・上間の作品を前にしたとき、身体の奥深くにねむる記憶や感情、そして失われつつある何かに気づかされる。
宮城明展 -深化そして再生へ-
2007年1月20日~2月4日
1945年名護市生まれ。多摩美術大学卒業・1970年渡米(NY)プラットグラフィックセンター留学。20代半ば現代美術の発信地NYアートシーンの刺激を受ける。3年間の留学生活を終え、南米・欧州各地・中近東・東南アジア「ルーツの旅」をして帰国。74年から県内で制作活動を開始。ネオダダやポップアートの影響を受けつつも、87年の自信作「波形キャンバス」を生む。以後平面と立体の空間、素材の可能性を探りながらキャンバスからの離脱を試み、91年にはジーンズシリーズを展開。96年以降は社会性をテーマに、問題意識の高い作品を発表し続ける。2000年には薄いアルミ板素材を使用したアルミシリーズへとシフトし、素材の特質をベースに、様々な素材を活かしたミクストメディアで新抽象表現主義の新たな展開を深化させている。今回はアルミシリーズを中心に「再生」をテーマに発表する。
金城満展 -シリーズ・ドモリエ-
2006年11月18日~12月3日
1959年生まれ。琉球大学大学院修了。86年「県展」優秀賞受賞・87年「沖展」沖展賞受賞・88年「県展」知事賞受賞・90年「あけみお展」金賞受賞など、20代で県内の公募展を総なめする。86年「レスポワール展」東京/銀座スルガ台画廊の初個展の後、県内の画廊で数多くの個展を開く。96年「石の声」(佐喜眞美術館)・99年「鉄の記憶」(佐喜眞美術館)など高校生達とのコラボレーションでも注目を集めた。90年代半ばコンピューターを駆使した「電脳版画」シリーズなどデジタルメディアアートを手がける。最近は「音」と「映像」の変換を試み、映画、写真、作曲と多才な表現手段を手に幅広い展開をしている。今後の活動が益々期待される作家。
草間彌生展
2006年9月16日~30日
1929年長野県生まれ。1948年京都市立美術工芸学校卒業。1952年初個展。1957年J・オキーフと手紙で交流後渡米。1958年NYを拠点に活動開始。ソフトスカルプチャー・ボディペインティング・ハプニングなど、奇才な東洋の美術家として注目を浴びる。数々の国際展で評価され世界的美術家として知られる。1975年より活動拠点を東京に移し、以後版画制作も手がけ90年代以降日本国内でも人気を集める。草間は現在77才、欧米をはじめ世界各地の美術館で頻繁に個展が開かれ活躍中。