1985年9月7日~15日
モーリス・ブラクマンは20世紀の初頭フランスにおいて、マチスやルオー、ドランらと共にフォービスム(野獣派)の運動に参加した人として知られる。ピカソやブラックの主張するキュービスム(立体派)をあまりにも主知的で不毛であると非難し、一貫して激しく野生的な筆触で製作を続け、フォーブの孤塁を守り通した。1876年フランスに生まれ、青年時代はゴッホやセザンヌを崇拝し、ヴァイオリンを弾き、著述をし、自転車競走の選手でもあった。群衆と通俗的演劇を愛するデカダンな画家でもあった。1958年に82才の生涯を閉じるまで、フォービックな油絵とかなり多くの版画を制作している。ブラマンクの画風は、強い光の中で荒れくるう自然の風景を描いた作品が多く、野生的な荒々しい猛烈な筆致は強い感情の揺さぶりを受けずにはおれない。
今回の作品は、数多いブラマンクの版画の中でも傑作中の傑作といわれている1964年に制作(限定260部)された版画集「オートフォーリエ」(高貴な愚行の意)の内から30点のオリジナルリトグラフを展示致します。