2002年11月19日~30日
島袋常秀展によせて
渡名喜明(となきあきら)
-中略-島袋さんは300余年の歴史を持つ陶芸の産地・壺屋の出身で、「壺屋焼」の現在を担う陶芸家である。精緻で端正な作品の作り手として知られた父・常恵氏の確かな継承者でもある。一方で、島袋さんは沖縄県立芸術大学の教授として沖縄陶芸界を牽引するとともに、「新しい陶芸」を目指す若者たちに指針を示す公的立場にもある。島袋さんが置かれている二重の立場は、歴史を踏まえつつ、なお時代を超えた〈用と美〉の普遍性の追求に島袋さんを向かいあわせているかに見える。そのような立場にあるのは、島袋常秀さんだけである。-以下省略-