1994年7月4日~16日
今回の水彩はぼくの作品の転換の時期にできたものであり、技術的にも、感覚的にも、思想的にも異質の新しさがあります。目に見えない物と物の間にある相対的な関係性を探るように仕事をしました。芸術はいかなる時、場にも、その時、その場における果実であり、その果実の中に生きているぼく達は同時代のすばらしい味を知覚することができるのです。果実の中の種が因果として次の芸術を生み出す一つの大きな内因になるように思えてなりません。一つの展示会がパリであろうが、ニューヨークや東京あるいは沖縄であっても全てが、その時の重要な意味を持ち、その道に大いなる価値を持って生きられることに深い意義と喜びを感じてなりません。 (幸地学)