2001年12月6日~16日

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幸地学の世界-連鎖するイメージ-         
  翁長直樹(おながなおき/県立美術館学芸員) 
図像は幸地にとって作品の中心をなすきわめて重要なファクターである。空間の中のモチーフではなく、すべて物=かたちは生命を持ち、生命間のエネルギーが空間を事後的に作っていく。幸地の絵画は現代美術の最先端を開くというのではないが、磨かれ、開かれたかたちと豊かな色彩によって、われわれが幸地の作品を観ると生命や宇宙の讃歌に浸されることになるのである。 
-中略- 幸地の今回のテーマに日本や沖縄の俳人や歌人たちが選ばれた。それらの人々の遊行や言葉が連歌のように虫や機械の声のようにこだまする。その生命讃歌の享受は、この時代だからこそ尊い。