1985年6月11日~16日

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個展に寄せて 
此の地に移り住んでははや六年、沖縄の島々に風景の静けさを訪ねて、絵筆をすすめて参りました。 自然は美の源流、多くを語る私の師であります。 蒼海に砕ける白い波、清澄な空、浜辺のアダン等・・・そこに織り成す様々な情景は、私の作画の基盤であり支えであります。眼にふれ、心にふれた時折々の風景を描いて、初めての個展を開催いたします。御高覧の程、お待ち申し上げます。  (後藤晋)
作家について 
沖縄に移り住んで6年にもなるという後藤さん、時間を見つけては、コツコツ描きためたという。日本画作家の少ない沖縄にあっては、仲々表に出るチャンスがなかった。氏の作品の数々は細微に丹念に描かれ、深く静まりかえった沖縄の風景がある。作品をじーっと見ていると作家の息づかいや虫の声、風の音、湿気を含んだゆるい空気がただよってくる。ウチナーンチュがこれまで目に向けることのなかった沖縄がそこにある。今後が大いに期待される画家の一人である。  (画廊沖縄代表 上原誠勇)