Archive For The “Exhibitions” Category
1985年6月25日~7月7日
「印象派も立体派も私には関係がない、芸術は何にもまして魂の状態であり、自分の論理と理性のある正直な精神だけが自由なのだ。」・・・。あの幻想と色彩の画家巨匠マルク・シャガールが今年3月、97年の生涯を閉じた。ピカソの立体派に接近しながらもユダヤの熱い信仰と深い祈りは鳴りやまず、霊気と幻想に満ちた純粋な精神は豊かな魂の表出を20世紀に産み落とした。この愛と幻想と色彩の魔術師-シャガールの展示会はきっと皆様に感動を与えることと思います。
後藤晋展 -沖縄の島々に静けさを訪ねて-
1985年6月11日~16日
個展に寄せて
此の地に移り住んでははや六年、沖縄の島々に風景の静けさを訪ねて、絵筆をすすめて参りました。 自然は美の源流、多くを語る私の師であります。 蒼海に砕ける白い波、清澄な空、浜辺のアダン等・・・そこに織り成す様々な情景は、私の作画の基盤であり支えであります。眼にふれ、心にふれた時折々の風景を描いて、初めての個展を開催いたします。御高覧の程、お待ち申し上げます。 (後藤晋)
作家について
沖縄に移り住んで6年にもなるという後藤さん、時間を見つけては、コツコツ描きためたという。日本画作家の少ない沖縄にあっては、仲々表に出るチャンスがなかった。氏の作品の数々は細微に丹念に描かれ、深く静まりかえった沖縄の風景がある。作品をじーっと見ていると作家の息づかいや虫の声、風の音、湿気を含んだゆるい空気がただよってくる。ウチナーンチュがこれまで目に向けることのなかった沖縄がそこにある。今後が大いに期待される画家の一人である。 (画廊沖縄代表 上原誠勇)
城間喜宏展 -油彩そして、ドローイングへの展開-
1985年5月18日~31日
沖縄の風土にひたすら拘り、その根幹の核にあるものを現代的な感覚で直射してシャープな線と力強い構成でイメージを展開してきた城間喜宏先生。その厳格なまでに整理された画面は幽幻の世界へいざない、見る者を太古のタイムトンネルをくぐらせ、透明なブルーの支配するニライカナイの世界へはめ込む。 あの古代幻想シリーズが今、少しずつ変化し始めているようだ。
ごく最近の作品は、睡直の視点から水平の視点へ、沖縄の風土から曼陀離の宇宙へと視点が移行しつつあるように見える。昨年の冬、渡仏した際に制作された一連のドローイングの作品もその現われではないだろうか。脈々と生きづいており、魅力にとんだ具象の作品となっている。又、これまでの抽象の展開では仲々見ることの出来なかった氏の叙情を帯びた繊細な感性がやわらかなモノトーンの世界に見る事が出来るのは、見る側の大きな悦びでもあり、氏の新たな表現テリトリーの獲得ではないだろうか。このニューテリトリーのもつ自由さと広がりの展開は我々を魅了して止まないにちがいない・・・。どうぞご高覧くださいませ。
関根信夫展
1985年4月23日~30日
今回の企画は作家関根信夫の版画周辺を紹介します。 氏は環境美術・彫刻・版画制作と多角的にアート活動を展開している活躍作家である。その仕事の中心をなしているのは、アートの枠を突き破ったところ、例えば広場とかモニュメントといった地平で展開されている。それらの大がかりな立体表現は、意識しなければ容易に私たちの目に触れることはできない。しかし、それらの立体表現の発想の核は、そのエッセンスとして発表された諸々の版画から作家関根信夫の像として知ることができよう。 (画廊沖縄 上原誠勇)
彫刻をつくるとかモニュメントや広場を作るとかの状況の中で、そのプロセスというのがあるわけですよね。これはあるアイデアの段階からそれを作るという状態にまで持って行く時、いろんなプランの消滅というか練り上げて行くプロセスというのがあるわけで、その周辺を版画という形で・・・(略)だから実際に作ったもののスケッチ、作らないもの、作らなかったもののスケッチ、その作ったものと作らなかったものとの差異、その辺もかなり面白いものがあると思うんです。 (関根信夫「Print. Communicationより」)
永原達郎展 -インド・デカン高原を描く-
1985年3月23日~31日
永原さんが、3度めの印度の取材旅行から帰ってきた。 3度めともなれば、印度への馴染みが深まるものだ。永原さんのおおらかさが、印度を包みこんだみたいに、こんどの作品群から暖かみと、親しさが、じぃんと伝わってくる。 永原さんは、どっしりと腰を,据えて、印度の風景・風物・風俗のすみずみまで掬いとってきた。 だから描く対象のバラエティの豊富な楽しさは無類である。
草ひとつない赤黄土の平原を流れる川で洗いものをする人々、崩れゆくパゴダの沈静、滑車のある四角な石積みの井戸のほとりに遊ぶ親子の黒牛、発掘された遺跡の敬虔さ漂うたたずまい、ガンジス河で沐浴する群像のドラマティックなポーズ。 永原さんの虚心な打ち込みが対象を生かし、技法を超えて生韻をひびかせる。沖縄の風景を活写した色彩が、さらに流麗な磨きをかけてきまっているのも新たな発見であった。 (詩人 大湾雅常)
屋富祖盛美展 -ヤフソ・モリミ水彩展-
1985年3月12日~17日
只今、琉球新報にて連載中の又吉栄喜作「日も暮れよ・・・」挿絵(原画)60点余りを展示致します。どうぞご観覧下さいませ。
OKINAWA ART NOW 85
1985年2月2日~24日
PRAT1(1985.2.2~2.10)・PRAT2(1985.2.16~2.24)
出品画家
大湾宗弘・新城征孝・砂川喜代・与久田健一・我如古彰一・金城規克・当山進・比嘉武史・屋冨祖盛美・赤嶺正則・ウエチヒロ・比嘉良二・川平恵造・奥原崇典展・金城進・青山英二・金城明一・安谷屋美佐子・山内盛博・熊山宗忠・大浜英治・伊江隆人・和宇慶朝健・屋良朝彦・大浜用光・浦崎彦志・治谷文夫・安次嶺金正・米須敏三郎・喜友名朝紀・永原達郎・照屋万理・普天間敏・宮城健盛・久場とよ・ぐし宮城セツ・山元文子・大見謝文・高江洲盛一・山里昌弘・渡慶次真由・下地寛清・大底康宏・与儀達治・稲嶺成祚・名渡山愛擴・与那覇朝大・翁長自修・田中興八・城間喜宏・宮良瑛子・平良晃・朝内信二郎・喜久村徳男・山城見信・神山泰治・儀間朝健・尚武・新垣安之輔・金城真常・小橋川肇・中島イソ子・屋良朝春・喜久村宏・真喜志勉・新垣安雄・その他・・・
ルフィーノ・タマヨ展
1984年12月18日~23日
1899年メキシコのオハカで生まれる。シケイロス(1974年1月死去)とならんで現代メキシコを代表する巨匠。メキシコ・シティのサンカルロス美術学校を一年で退学し国立考古学博物館で働きながら絵を描く。1926年小学校教師となり初の個展をメキシコ・シティで開催。2年間ニューヨークに滞在後1932年文部省美術部長に就任。翌年国立音楽学校に初の壁画(フレスコ)を描く。第二次大戦後1949年ベニス・ビエンナーレでグラン・プリをマチスと争った。53年サンパウロ・ビエンナーレでマネシエとともに絵画グラン・プリ。60年パン・アメリカ展でグラン・プリを受賞。1950年代以降壁画の制作にも打ち込んでいる。