Archive For The “Exhibitions” Category
1988年7月5日~10日
沖縄の梅雨は極度に湿度が高い、亜熱帯のゆるい空気が島全体をおおい、不快指数は下ることを知らない。重く湿気を含んだ空気は、描かれることにより浄化され、亜熱帯の静謐な詩情が不快指数を突き抜けて伝わってくる。後藤氏の3年ぶりの個展です。皆様のご来廊お待ち申し上げます。
大野加奈展 -銅版が織りなす真昼間の幻想の世界-
1988年6月21日~26日
「南風の訪れ」、「浜風の吐息」、「春の時間」、「夏飛行」…作品のタイトルだけ見ても大野加奈の世界へ誘われてしまいそうだ。今回は従来のエッチングにアクアチントの技法が加えられ、銅版画の魅力が更にアップした画面となっている。皆様のご来廊お待ち申し上げます。
伊江隆人展 -墨表現の拡大とダイナミズムの画家-
1988年6月7日~12日
常に墨を意識し、墨を超えたいと願う伊江氏。墨の可能性をどこまでも押し拡げ、新素材との対決を挑む。バイタリティー溢れる両腕から、ダイナミックな太い墨が走る。今回は昨年の彫り(木)の仕事に港川石(砂岩)が加わった。又更に、自身ですいた紙(唐紙+和紙)も登場する。皆様のご来廊お待ちしております。
渡名喜元俊展 -私の絵画は一種の生きものである…-
1988年5月17日~22日
今、真摯に絵画を実践している者にとって、絵画がアブリオリに存在することは、在りえない、ということが私の出発点である。「労働」「老婆の草むしり」という概念は、いわゆる巨匠の独創と対峙する。芸術の媒介でしかない絵画を、芸術そのものと勘違いする族の視覚を破壊すること、それが私の願いである。真実を見抜く視覚と、コスモで耐える地球と、全てのものに平等にふり注ぐ太陽に…乾杯! (渡名喜元俊)
アフリカン・アート展(彫刻) -西アフリカからやって来た誇り高き使者たち-
1988年4月19日~24日
ニューヨークのメトロポリタン美術館にあるアフリカンアートのコーナーはこれまで見て回った美術館で最も強烈な印象を残した。沈黙したまま立ち続ける孤独な立像、自在にデザインされた神秘的な仮面、それらは皆誇り高く気品に満ちあふれていた。この純粋な魂の存在感はアフリカを全く知らない私にとって衝撃的な出会いとなった。今回はN・Y在 Primal Art 社の協力を得て西アフリカを主とした立像彫刻や仮面を40点展示致します。どうぞご覧下さい。
黒崎彰展(木版画) -パルキヨン・韓国心象より-
1988年4月5日~10日
お隣の国、韓國は、私にとって長い間、近くて遠い外国であった。(略)生活する人々との交流を通して知りたい世界であったゆえに、この国の確かな知人や友人が現れるまで、私は我慢をして訪韓を待たねばならなかった。(黒崎彰 韓國心象より)
今回は昨年の暮、発表された韓國シリーズ-パルキヨン・韓國心象を中心に1984~1987年までの(沖縄では未発表)作品を加えて展示致します。どうぞご覧下さい。
イカール版画展 -アールデコの代表的版画 LOUIS ICART-
1988年3月8日~13日
今世紀初頭のフランス・アールデコの代表的版画家。ファッションデザイナーとして出発したが第一次大戦中に戦線画や風俗画を発表し、大衆から大きな支持を得る。1950年に没するまで数多くの挿画と銅版画を手がけ、独特のドライポイント技法と線描を完成させ高い評価を受けた。又その軽やかでしなやかな女性たちが乱舞する画風は半世紀以上経った今日でも人々を魅きつけ人気が高い。近年日本でもひん繁に展示会が開かれている。今回は代表的作品「メロディーアワー」と「コージング」、「スピード」等を中心に30点展示致します。どうぞご覧下さい。
柳光観展 -琉球の美、今よみがえる-
1988年2月23日~28日
沖縄の画界からは20年も離れてしまい「今さら個展と言うのも…」とおっしゃる柳先生。15年ほど前まで沖縄の本や新聞のさし絵等で活躍し、繊麗な琉球美人画と琉球の風物と歴史画を描いておられた老熟の琉球画家に重い腰を上げていただく事になった。豊けし琉球の時代と美を伝える数多くの作品の中から20数点を集めて展示致します。皆様のご来廊お待ち申し上げます。
ビュッフェ展
1988年2月9日~14日
1928年パリに生まれる。1944年パリ美術学校に入学、ナルボンヌに師事する。1947年わずか19歳の若さでアンデパンダン展、サロン・ドートンヌに出品、初の個展を開いて画壇に登場する、翌年クリティック賞を受賞し、第二大戦後の抽象絵画全盛期に“具象絵画の旗手”としての名声を博し、わずか数年の間に画壇の竈児“ピカソの再来”と騒がれるまでになる。1958年シャルパンティエ画廊で大回顧展を開き、日本でも1963年に東京、国立近代美術館でのビュッフェ展をはじめ1969年~1970年には各地で新旧作展を開催。1973年、静岡県にビュッフェ美術館がつくられ、1980年春には初来日し、このときのイメージをもとに数かずの名作を制作している。
城間喜宏展 -果てしないオキナワンブルーの世界-
1987年12月15日~20日
古代と現代を する透明なオキナワンブルー。力強く構成と澄みきった空間はウチナーンチュの自身と誇り、そして風土とシャーマンの世界を感じさせる。三月前に中国での交流展を終えたばかり、はるか大陸の自然に触れて、あの透明なオキナワンブルーの世界がうごき(変化)だした。今年最後を締めくくる企画となりました。皆様のご来廊お待ち申し上げます。